フラッシュテクニック(FT)とは何か?
フラッシュテクニックとは、最近開発されたエビデンスに基づく心理療法的介入であり、トラウマやそのほかの苦痛を伴う記憶を思い出した時の動揺を軽減します。多くの従来のトラウマに関する治療とは異なり、FTは、クライアントが意識的にトラウマ記憶に関わる必要がないため、最小限の負担で実施できます。これによりクライアントは苦痛を感じることなくトラウマ記憶を処理する事が可能になります。更に、EMDRの準備段階や暴露療法を基本とした治療の補助として用いる事で、本来ならばクライアントが耐えがたく、圧倒されるような記憶の処理もできるようになります。
フラッシュテクニックに関して
FTはもともと、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理)の準備段階に追加する方法として開発されました。大きな苦痛を伴う記憶を思い出す事による不快感を、場合によっては10~15分という短時間で、効果的に減少させることが示されています。EMDRと同様に、FTも眼球運動や左右交互のタッピングを使用し、脳内の未処理のトラウマ記憶を解消する事を目的としています。
様々なトラウマに配慮した心理療法にFTを補助的に用いる事で、クライアントはより治療に耐えやすくなり、治療が促進されます。内的家族システムでは、「解放」のプロセスを助ける事が出来ます。様々な暴露療法においては、暴露に伴う苦痛を軽減する事が出来ます。また、認知行動療法では、クライアントが、成長した大人の見解を受け入れる助けになります。
FTのトレーニングを受けたセラピストなしでFTを行う事は出来ますか?
FTは、心の健康に対する介入方法ですので、適切な訓練を受け、免許を持つメンタルヘルスの専門家だけが実施するべきです。FTの訓練を受けたセラピストのケアを受けている方が、比較的軽度の不快を伴う出来事に対して自分自身でFTを行う事を勧められる場合もあります。
FTに効果があるのはどんな人ですか?
FTは、年齢を問わず、子どもから大人まで効果があります。不安、強迫症、軽度から重度の解離、鬱病などを含む広い範囲の様々な主訴に対して使用できます。
フラッシュテクニックを体験してみる
FTの訓練を受けたセラピストが、クライアントにトラウマ記憶を特定するように求める事から始めます。FTは、未処理のトラウマ記憶が多くの非器質的な症状の原因である、という事を基本原理に置いています。もしクライアントが特定の記憶と結びついていない症状を示した場合、セラピストは、その症状を起こしていると思われる記憶を見つけるよう援助します。ターゲットとなる記憶が特定されたら、セラピストはクライアントに肯定的な記憶、イメージ、活動、もしくは音楽や視覚化されたものに注意を向けるよう促し、それに注意を向け続けるよう求めます。この肯定的な注意の対象に集中し続けながら、クライアントは、その集中を瞬間的に中断するように指示されます。クライアントがもともとのトラウマ記憶に意識的に注意を向けなくても、ターゲットになっているトラウマ記憶を処理する事が出来るのです。